古事記は3巻より成ります。
第1巻は「臣安万侶言(もう)さく」(臣下の太安万侶が申し上げます)から
始まる上表文と神々が活躍する神話の世界です。
天照大御神の誕生、国譲り神話などがここに含まれます。
第2巻は神武天皇から15代応神天皇までです。
直木孝次郎著「日本古代の氏族と天皇」によればこの時代は多くの氏族の祖が
生まれますが、その後の仁徳天皇より後の時代では新しい氏族は出てこなくな
ります。
その為に直木氏は第2巻は「極めて伝説的な世界」であり、第3巻の仁徳天皇
から推古天皇までは現実的な世界「現世」を表すと指摘します。
第1巻に出てくるのは神々です。
天照を主役にスサノオ、大国主など出雲の神が脇を固めます。
3巻のうち1巻を使い神話をまた出雲を多く描いていますので、いかに神々の
話を重要視していたかが分かります。
第2巻は人の世になりますが、実はここには4人の神が現れます。
初代神武天皇、第10代崇神天皇、第15代応神天皇とその母親である神功皇后
です。
彼らは「神」の一文字を送られています。
なぜ彼らは神と呼ばれたのか。
また神武天皇、崇神天皇共に「初めての天皇」と呼ばれます。
記紀ともにそう呼びます。
なぜか?
この2つの謎が古事記を読み解く大きな鍵となります。
橿原神宮
神武天皇の宮があったとされる地に建てられました
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